top of page

クラッシックな本格コート


チャーミングなお嬢さんに、本格的なコートをお仕立てしました。

こんなにお若い女性からのご注文にやや驚くと同時にとても嬉しいことでした。

若い方の衣料品なら沢山巷に溢れているのに、

なぜわざわざオーダーメイドしようと思ったのか

お嬢さんに訪ねてみると、

自分がイメージするデザインのコートが見つからない。

市販品は袖丈が足りないものが多い。

若い世代向きの既製品コートはどことなくヘナっとしている。

海外有名ブランドのコートの価格帯は高すぎる。

という事でした。

同じ悩みを持っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

カラー、デザインともに、

はっきりしたイメージがお客様のなかに出来上がっていたので、

私は生地を手配し、イメージ通りの型紙を作ればOK。

仮縫い時の補正もほとんどなく、トントン拍子に進みました。

飽きのこないベーシックなカーキ色、

全体のシルエットはすっきりストレート、

そして可愛い丸襟と大きなボタン。

 

仕立ての工程はオーダーメイド店で培った技術と、

既製品の合理的な手法を足して二で割った感じです。

襟をふんわりと仕上げるため、

このように「くせとり」をして一晩置いておきます。

これは丁寧なオーダーメイドの仕立て方です。

ポケット口は細かくまつり縫い。

芯の貼り方、袖のつけ方、もっとも神経を使う部分はオーダー店で教わった技術です。

 

一方、 裏地のつけ方はすっきりした既製品の方法で。

ベンツもオーダー仕立てより軽く仕上がる既製品のやり方で。

ボタンホールも業者に頼み、高級既製品と同様に仕上げました。

 

そしてこのようにピッタリと出来上がりました。

完成品をご覧になった第一声は、

「カワイイ!」

袖を通した時の第一声は、

「軽い!」

そうなんです。

しっかりした厚みのラムウール混メルトンを使っていますので重厚なコートですが、

お体に沿うように仕立てると重みを感じないものなのです。

 

本当によくお似合いで、

一緒にいらしたお母様もとても喜んで下さいました。

いつもオシャレなお嬢さんで、

ご相談にいらっしゃると毎回

ファッションの話題で女子トークが盛り上がりました。

この画像のソックスは、

ムンク展を観に行った時ミュージアムショップで買ったんですって。

コートとバッチリカラーコーディネイトできてますね!

このコートは色も形もベーシックで飽きがこないし、

生地も国産高級品質なので、

大事に管理してもらえば10年でも20年でも楽しんでいただけます。

そして何より、

若い時に本物を身につけると、

物の良し悪しが判る大人になれると思います。


閲覧数:77回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page